森あらた
森あらたは、ベルリンと東京を拠点に活動する映画監督、映像編集者、アーティスト。学習院大学日本語日本文学科およびロンドンのセントラル・セント・マーティンズ美術大学ファインアート学科卒業。2022年にアジアン・カルチュラル・カウンシル個人フェローシップ、2025年にヴィム・ヴェンダース奨学金を受賞。
2021年には、中国の「一帯一路」政策の影響下で変貌を遂げるシルクロードの都市風景をもとに、架空の都市を描いた実験ドキュメンタリー映画『A Million』を監督。第64回ライプツィヒ国際ドキュメンタリー映画祭に正式招待される。
2024年にはドイツ人監督アンドレアス・ハルトマンと長編ドキュメンタリー映画『蒸発 ― Johatsu: Into Thin Air』(ドイツ文化庁助成・ARTE共同制作)を共同監督。日本における「蒸発」という現象をテーマに、夜逃げ屋や失踪者、残された家族の姿を追った同作は、テサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、CPH:DOX、クラクフ、上海、ニッポン・コネクションなど世界35以上の映画祭で上映。ドイツ最大のミュンヘン国際ドキュメンタリー映画祭では最高賞であるヴィクター賞を受賞し、ドイツ、ロンドン、香港で劇場公開される。
また、写真家ラウリアン・ジニトイウとともに「another:」を共同設立。ビャルケ・インゲルス、ジョシュア・レイマス、塩田千春ら建築家・アーティストとコラボレーションを行う。2023年の中編映画『veins』では、ポルトガルの採石場からニューヨーク・ワールドトレードセンター跡地までの大理石の旅を描き、ADFF:NY(建築デザイン映画祭ニューヨーク)でプレミア上映。2025年には、インゲルスとの新たなコラボレーション作品をヴェネチア建築ビエンナーレで発表中。
エディター・編集コンサルタントとしても多くの作品に携わり、レモハン・ジェレマイア・モセセ監督『Ancestral Visions of the Future』(ベルリン国際映画祭2025)や『Mother, I Am Suffocating. This Is My Last Film About You』(ベルリン国際映画祭2019)などを担当。また、WOWOW制作のドキュメンタリー・シリーズ『WHO I AM』では国際エミー賞にノミネート。
さらに、NHKの大型ドキュメンタリー番組でもディレクターとして活動し、ウクライナ国境やイランなど紛争地帯における難民危機の取材を行う。